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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第42章 戻らない未来、守りたい命


しかし――



光は……現れなかった。

機械の音だけが無情に響く。
触れているはずの指先が、あまりに冷たく、あまりに静かで。

「な……んで、どうして………」

の中で、ある可能性が胸を刺した。

(………望んで、ない?)

が治したいと思わなければ個性は発動しない。
そして、相手が望んでいなければ、がどれだけ治したいと思っても治らない。

まるで返事のない祈りのように。

涙をぽたぽた落としながら、は震えた声で問いかける。

「どうして………、なんで…」

ナイトアイは、弱りきった体で、しかし確かな意思だけを宿して、の頬へ手を伸ばす。

ナ「……君の個性は……優しい……相手の願いを…叶えてしまう……」

喉の奥で血が絡む。

ナ「……だから……光らなかった……。私は……もう……治らなくていいと……思っている……。君が……生きていてくれれば……それで……いい……」

「そんな……そんなの……っ……私……望んでない……!!」

ナ「……君の願いは……届いている……。だが……君が倒れる未来だけは……見たくない……。君の命を代価にしてまで……私は……治されたくない……」

その瞬間、の胸の奥が悲鳴のように痛んだ。

個性は応えている。
誰よりも、ナイトアイの願いに。

その優しさが、にとっては残酷だった。

ナ「……君が……触れてくれただけで……十分なんだ……」

微笑むその表情は、幸せそうですらあった。

ナ「……最後に……こんなに……温かい願いを……向けてもらえるなんて……。私は……幸福者だよ…………」

「未来さん……っ……やだ……嫌だよ……!!」

泣き叫ぶ声に、機械の音だけが淡々と答え続ける。

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