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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第42章 戻らない未来、守りたい命


その静寂を破ったのは、荒い足音だった。
扉が勢いよく開く。

相「!!」

相澤だった。

髪はほどけ、息は乱れ、いつもの冷静さはどこにもない。

「ちょっと!あなたも出血してるんですよ!先に処置させてください!」

看護師の制止を振り切りベッドへ駆け寄ると、震える手での頬に触れそうになって……寸前で止めた。

相「……遅かったら、お前……」

低く、掠れた声。
言葉の続きは喉でつまって出てこない。

代わりに、眉間に深い皺を刻んで、じっとの寝顔を見つめた。

相「…いつもいつも…無茶ばっかりして……」

怒っているようで、泣き出しそうでもあった。

相澤はそっとの手を握った。

相「早く目を覚ましてくれ。…頼むから」

その声は、いつになく脆かった。

「行きますよ、あなたも結構重症ですよ」

相「…また戻る」

そして、眠るのまつげがわずかに揺れたことも、胸の鼓動がほんの少しだけ早まったことも——
相澤は気づかないまま、病室を後にした。

処置を終えた相澤は、他の仲間たちを巡って怪我の具合を確認していく。
最後は、緑谷のところへ。

緑「先生…、大丈夫ですか?み…みんなは?」

相澤は淡々と状況を説明する。

相「俺は10針ほど縫った。切島は全身打撲に裂傷だが、命に別状はない。天喰は顔面にヒビだが後遺症は残らないだろう。ファットガムも骨折が数ヶ所。ロックロックも軽傷で済んでいる。壊理ちゃんは熱が引かず隔離中だ」

緑「ちゃ……先生は?」

短い沈黙のあと、相澤は答えた。

相「…一命は取りとめている。だが出血が多すぎた。今も意識は戻っていない」

緑「そん、な……」

相「……聞いた話だと、治崎がの傷を“修復”したらしい。それがなければ……確実に……死んで、いたと医師が言っていた」

振り絞りながら出したその言葉に、空気が重く沈んだ。

“最も救われるべき少女を傷つけてきた男”に、“の命を救われた”という、皮肉すぎる事実。

緑「……っ」

相「行くぞ。あいつのところへ」

2人は、黙ったままの病室へ向かって歩き出した。

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