第41章 血塗られた救済、救われた命
麗「先生!ナイトアイ!!」
駆け寄る足音。
麗日と蛙水が、倒れる二人の元へ飛び込むように膝をつく。
ナ「は……、どういう状況だ…?」
麗日が急いで脈を取り、顔を上げた。
麗「息はちゃんとあります!脈も…弱いけど安定してます!」
その言葉に、ナイトアイの瞳が大きく揺れた。
ナ(そんな……未来が……変わった?)
安堵よりも驚愕が勝っていた。
“絶対に変わらない”はずの未来が、いま、目の前で覆った。
その瞬間。
遠くで壊理が再び治崎の元に引き戻される。
地響きとともに、治崎は地上へへ押し上げられていく。
緑谷がその後を追うように跳ぶ。
壊(もう誰も死んで欲しくない…。望んでなんかない…。なのに、どうして…)
一緒に巻き上げられた通形のマント。
自分を包み込んでくれた、初めて安心できた。
大きくて赤いマント。
通形がくれた“温かさ”の象徴。
手を伸ばし、掴んでぎゅと手元へ手繰り寄せた。
壊(この人たちは私が助からないと…死んでも諦めない…。助からなきゃ)
緑「壊理ちゃん!!!」
もう一度、手を伸ばした。
足を踏み出し、思いっきり地面を蹴った。
そして、緑谷の胸の中へ思いっきり飛び込んだ。
緑「もう、離さないよ」
治「返せ!!!」
轟音を立てて、緑谷の身体が空中へ跳ね上がる。
ワンフォーオールの暴走かなんなのか、緑谷にしかわからない。
瓦礫が降り注ぐ中、リューキュウが翼で庇った。
そして治崎は、狂気のまま“さらに仲間を取り込み”、人外の形へと変貌する。
視界が揺れる。
ナイトアイは蛙水の肩に手を置き、かすれた声で言った。
ナ「フロッピー…、を頼む…。それから、壁の穴の先…ミリオが居るはずだ…頼む。……ウラビティ、リューキュウ。私と…上へ向かってくれ…」
後を追うようにして麗日もナイトアイを抱えて地上へ出る。
激闘の音が、さらに遠く、さらに激しく響いていた。