第41章 血塗られた救済、救われた命
ナイトアイの胸に飛び込み、正面から抱きつく。
その背後から──轟音とともに巨大な棘が迫る。
(避けられない……!)
次の瞬間。
棘は、まとめて2人の体を貫いた。
「ッ………」
息が焼けるような痛みに喉が震える。
だがそれは、背中からではなく、正面から。
「な…んで、未来……さん…!」
視界が揺れる。
目の前には、苦痛に歪みながらも微笑もうとするナイトアイの顔。
ナ(未来を……壊理ちゃんが助かり…、やミリオたちも無事…。そんな…未来を……)
ナイトアイは抱きしめてくれたを庇うために、一瞬で身体を反転させ、背中で棘を受けたのだ。
その背中は深々と突き刺され、血が滲み落ちていく。
(そんな……っ嫌だ……!)
震える手でナイトアイの胸元に触れ、耳を押し当てる。
──まだ、鼓動がある。
(大丈夫、絶対……私が助ける……!)
だが、身体は棘に固定され、動かない。
ナイトアイに触れられる位置も限られている。
口付けで治す。その方法も、今は届かない。
(どうすれば……何か……何か……!)
頭が焼けるほど回転する。
涙がこぼれそうになるが、必死にこらえる。
そんな中、2人が串刺しになっている光景を見た緑谷が叫んだ。
緑「ちゃん!!!! ナイトアイ!!!」
壊理ちゃんを通形に託し、緑谷が獣のようなスピードで治崎へ突っ込む。
治「諦めろ。俺の言った通りになるだけだ。全員、死ぬ」
その時、治崎の視界がふと揺れた。
目に映ったのは、棘に貫かれながらも必死にナイトアイを守ろうとする。
“死んでほしくない”
その感情が、治崎の胸をほんの一瞬だけ刺した。
緑「そう決まっていたとしても…その未来を!ねじ曲げる!」