第41章 血塗られた救済、救われた命
警「治崎じゃねぇ…逸脱してる。考えられるとしたら本部長の入中だ!個性は、物の中に入り自由自在に操る"擬態"!」
フ「ブーストさせたらない話じゃないか…。こんなん相当体に負担かかるはずやで…!イレイザー、消されへんのか?」
相「本体が見えないと、どうにも…」
道はぐにゃりと歪み、上下左右がひっくり返るような錯覚すら起こす。
全員が足を取られ、前に進めずにいたその時。
通形が迷わず走り出した。
通「どれだけ道をゆがめようとも、目的の方向さえわかっていれば俺は行ける!先に向かってます!」
「ミリオ!」
通「さん、俺は大丈夫です!あなたの隣に胸張って立てるようなヒーローになるんだ!」
(ミリオは…もう十分すぎるほど、強いのに)
心の中でそう呟きながら、壁の向こうへ消えた背中を見送った。
その直後、床が突然抜けた。
「っ!」
相澤が握っていた手を瞬時に引き寄せ、をしっかりと抱き込む。
全員がそのまま下層の広間へと落とされた。
フ「おいイレイザー、いつまで抱きしめてんねん」
相澤は無言で手を離した。
「ありがとう、ございます」
相「怪我、ないか」
「お陰様で」
相「よかった」
低く息をつくその声には、安堵がにじんでいた。
「おいおい、国家権力が落ちてきやがった。不思議なこともあるもんだ」
視線を向けると、敵意むき出しの3人の組合員がこちらを見ていた。
フ「よっぽど全面戦争したいらしいな」
ヒーローたちが構えようとした瞬間、天喰が一歩前に出てそれを制した。
天「そのプロの力は目的のために。…こいつらは俺が相手します」
天喰の声音は静かだが、決意は鋭い。
天「何人ものヒーローがこの場にとどまっているこの状況がもう、思うツボだ。イレイザー筆頭に、プロの個性はこの先に取っておくべきだ!」
「でも…環!」
天「俺なら1人で3人完封できる!信じて、さん!」
「………」
一瞬の沈黙を破るように、ファットガムが力強く言った。
フ「行くぞ!!」