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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第40章 静かな潜入、掴んだ手がかり


治崎の瞳が、かすかに細まる。

治(癒している…?いや、細胞の“最良の状態”へと帰す感覚…?)

治「その個性、本当に“元気にする”だけか?」

「え…?はい。“快気”って、病気や怪我が良くなる時に使う言葉ですよね。私の個性もそのイメージで…触れると、細胞の働きが整って、傷や疲れが自然に癒えていくんです。ただそれだけの、シンプルな力ですけど…」

治(……いや、違う)

治崎は手袋を戻しながら、わずかに視線を落とす。
その横顔は、分析者のそれだった。

治「…俺の個性は、壊れた部品を組み替えるだけだ。元の形に“似せて”整える作業にすぎない」

静かだが、妙に冷たい声。

治「だが君の力は…手を入れた痕跡が残らない。“整った状態”そのものを、まるで呼び起こしているようだった」

淡々としているのに、言葉は皮膚の内側に沈んでくる。
そこに確かに「興味」と「危険」があった。

が何か返そうとした、その瞬間——

コン、コン。

部下が控えめに扉を叩き、顔を出した。

部下「お、頭……。お話中すいやせん。その、例のあのガ……っ、あいつの件なんですが……」

治崎のまつげがぴくりと揺れる。
の心臓も、反射のように跳ねた。

(……今、“ガキ”って言いかけた……?)

部下「ずっと監視してる数値が、さっきから微妙に動いてやして……。とにかく動きがあったんで、一応ご報告を…!」

(…監視…数値…動いた?まさか……ここにいるの?)

空気が、わずかに軋んだ。

だが——

治「……後でいい。下がれ」

部下「あ、へい!」

沈黙。
2人とも、あえて触れない。

まるで、今の単語がこの部屋に落とした影を見て見ぬふりするように。
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