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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第40章 静かな潜入、掴んだ手がかり


そして治崎は小さく息を吸い、右手の手袋を静かに外す。

「……?何して…」

パチッと乾いた微音がした。

治崎の皮膚が、小さく分解される。
赤い血が滲んだ。

「っ…!?なんで自分で……!!」

治「落ち着け。大したことはない」

穏やかな声。

その手を、へ差し出す。

治「君の個性、本当に“癒し”で括れるものか。確かめる価値はある」

「何を言って…!」

治「理由は充分だ。君の触れた時の“気配”が、常識から外れていた」

「……っ、ちょ、ちょっと待ってください。ここで個性を使うのは……状況的にも、立場的にも……」

頭の中で警鐘が鳴る。
だが治崎は微動だにしないまま、淡々と告げた。

治「…怪我人を見捨てるのか。ヒーローが?それとも何か他の理由が?」

一瞬で言葉を封じる、静かな圧。

「っ…ちが……!」

完全に逃げ道を断つような声。
挑発でも怒気でもない、ただ事実を淡々と突きつける声音。

治「君に触れた時の違和感は、私の勘違いで片付けるには雑だ。…だから“確かめたい”。怪我は小さい。今ここで治すのにリスクはないはずだ」

差し出されたままの手には、赤い血が少しだけ滲んでいる。
静かな部屋に、心臓の音だけが響く。
迷いが喉を塞ぐ。

だが、たとえどんなに小さな傷でも、それを前にして目を逸らす自分を、許せなかった。

「…っ…分かりました。…すぐ終わらせますから」

は戸惑いながらも、傷に手を添える。

柔らかな光。
ほんの数秒。

傷は滑らかに塞がり、肌の色は元の状態に整ったかのようになった。

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