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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第40章 静かな潜入、掴んだ手がかり


はゆっくり息を整え、微笑みを作ってドアを開けた。

治崎がそこにいた。

何も知らないような、冷たい顔。
その表情に向けて、はふわりと笑う。

「こんにちは。先日は本当にありがとうございました」

治「別に何もしていない。……まぁ座れ。今日はどうした」

ソファに腰を下ろした治崎をまっすぐ見つめ、は柔らかく言った。

「お礼を、と思いまして」

治「雄英教師兼プロヒーローが、こんな場所に来るのは得策じゃないだろう」

「ふふ。“ありがとう”を伝えるのに、肩書きは関係ないですよ」

治崎の目がわずかに揺れ、表情が少しだけ柔らかくなった。

だが、は知っている。
ほんの少し温度が変わっただけで、この男の先に“彼女”がいる。

治「…“ありがとう”か。君は本当に、そういう言葉をためらいなく口にするんだな」

「言わないと伝わりませんから。あの日、助けてもらえて嬉しかったんです」

治崎の眉がわずかに動いた。
その瞬間、治崎はゆっくり立ち上がる。

ソファの前に立つを見下ろして、手袋を外して手を伸ばした。

「……?廻、さん?」

治「確認したくなっただけだ」

治崎の指先が、の頬に、

――触れた。

潔癖で、人に触れないことで知られる男が。

指がそっと頬をなぞる。
まるで確かめるように。

治「…前も思ったが。君は、汚れていない。妙に、穏やかな…いや、違う。人を落ち着かせるような気配がある」

治崎は、の頬に触れた自分の指先を一度見つめ、ゆっくり手を離す。

その言葉のあと、治崎は心の中で呟く。

治(…個性の性質か?それとも本人の資質か?)
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