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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第40章 静かな潜入、掴んだ手がかり


男たちは顔を見合わせ、しぶしぶ電話をかける。

「お頭。なんか“”とかいう女が来てるんすけど…。はい。………え?いいんすか?あ…はい」

電話を切った男が、無愛想に顎で奥を示した。

「入ってこいってさ。…こっちだ」

「ありがとうございます」

にこり、と笑った瞬間、男たちの視線が揃って硬直する。

だが、心の奥では張りつめた鼓動が止まらない。
今日は“ただのお礼”では来ていない。

壊理ちゃんの居場所。
その手がかりを一つでも掴むため。

屋敷に足を踏み入れた瞬間、前回来た時にも感じた消毒液の匂いが鼻を掠めた。

廊下を進むと、ふと視界の端に棚が映る。
飾り棚に無造作に置かれた花瓶。
その下の木板が、他の板よりわずかに色が薄いのに気づく。

一瞬立ち止まりそうになるが、は自然に視線を前へ戻した。

案内役が振り返る。

「ついてきな。お頭は奥の応接だ」

「はい」

その一言に、内心の動揺は微塵も出さない。
けれど心臓は、まだドクンと脈を打っていた。

(あそこ……ただの棚じゃない)

そんな予感が、胸に静かに沈んだ。

また歩き始めると、床の下で、かすかにゴォ……と風が動くような低い振動が足裏に響いた。

一瞬だけ、声には出さず眉が動く。

(……今の、何?風……じゃない。空気の抜ける音……?)

普通の家で聞くような音じゃない。
まるで、地面の下に空洞が広がっているみたいな、あの重い響き。

さらに歩くと、廊下の途中で別の方向から コツンと金属のような音が響いた。
遠く、深い場所から反響してくるような音。

(……地下?いや、それも…深い。“入り組んでる”ような響き方…)

踏んだ床、反響、空気の流れ。
この家の下には、とても普通じゃないような構造がある気がした。

だが案内の男は何も気付いていない顔で歩き続ける。

はただ静かに、気付かれないように息を整えた。

「ここだ」

案内の男が足を止め、扉を叩く。

すぐに、低く乾いた声が返る。

「入れ」
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