第38章 溢れる力、受け継がれる愛 ※微
そして最寄り駅に到着。
そこからナイトアイ事務所へと、3人は足を進めた。
以前ここを訪れ、治崎と出会ったときとは正反対に、今日は空が青く澄み渡り、太陽がまぶしく輝いていた。
通「ここがサーの事務所だよね」
ナイトアイ事務所の前に立つと、緑谷は緊張のあまり足を止める。
肩に力が入り、顔はこわばっていた。
通「言いそびれてたけど、サーはすごく厳しいんだよね」
緑「そ、そのことは存じておりますっ!」
自分にも他人にも妥協を許さず、ストイックで知られるプロヒーロー。
だがミリオは、ナイトアイのもうひとつの顔を知っていた。
通「君が門前払いされたくないなら、これから会って話し終えるまでに一度は、サーを笑わせるんだ」
緑「……笑わせる!?」
戸惑う緑谷に、が穏やかに補足する。
「未来さんはね、ユーモアを大切にしてるの」
通「俺ができるのは紹介までで、君を使うかどうかはサーが決める。俺も協力してやりたいけど、ここからは君一人でサーに認めてもらうしかない」
長い螺旋階段を登り、3人は静かに事務所の扉の前に立つ。
いよいよ――緑谷とナイトアイの対面だ。
緑谷が緊張の面持ちで扉を開けると、
中からバブルガールの甲高い笑い声が響いてきた。
視線の先では、バブルガールがくすぐりマシンのような器具に固定されている。
緑「な、何が起きてるんですか!?」
通「……ユーモアが足りなかったみたいだね」
その時、が一歩前へ出て、静かに名を呼ぶ。
「未来さん」
透き通った、柔らかい声で。
ナ「!!!」
振り向いたナイトアイの表情は柔らかかった。
が、緑谷を見た途端すぐに鋭いものへと変わった。
緑谷は気圧されながらも、先程通形に言われたことを思い出した。
緑(強くなりたい!その為ならユーモアだってなんだって…やってやるさ!)
髪を整え、オールマイトの顔真似をして一言。
緑「緑谷出久です!」