第38章 溢れる力、受け継がれる愛 ※微
週末。
は、緑谷を迎えに1-Aの寮へと足を運んだ。
ちょうどその時、玄関から爆豪と轟が出てくる。
「2人とも、おはよう。今日は補講だね、頑張ってきてね!」
轟「あぁ」
柔らかく返すその声に、朝の光がふわりと差し込む。
爆「たりめーだ」
ぶっきらぼうな口調とは裏腹に、声色はどこか優しい。
「行ってらっしゃい」
2人の背中を見送る。
すると、寮の中から緑谷が慌てたように飛び出してくる。
緑「ちゃんおはよ!待たせちゃってごめんね…」
「おはよ出久!全然待ってないよ!じゃ、行こっか!」
2人は並んで寮を後にした。
その様子を、寮の中から覗いていた上鳴と峰田。
上「緑谷ずりぃ~…先生とお出かけとか反則だろ…」
峰「オイラの女神…。今日のおかず、どうしよ…」
それぞれの朝が、今日も始まる。
校門で通形と合流し、3人はナイトアイ事務所へ向かった。
雄英からおよそ1時間。
電車を乗り継ぎながら、休日の人混みをかき分けて進む。
押しつぶされそうになる中、通形は自然とを庇った。
ドアに背中を預け、を守るように立つ。
その胸板がすぐ目の前にある。
通「…大丈夫ですか?」
「うん、ありがとう」
通「さんって、強いのに…こういう時はちゃんと女の子なんですよね。守ってあげたくなります」
「っ……」
不意に近づく声。息が触れそうな距離に、胸が高鳴る。
通「俺よりずっと強いのに……それでも、さんを守れるくらい、もっと強くなりたいんです」
「ミリオには未来さんがついてるもん。きっと誰よりも強くて、かっこいいヒーローになれるよ」
通形の言葉の端に滲む想い。
相澤、爆豪、轟――そして今、通形。
みんな想っている。
けれど、想い方はそれぞれ違う。
緑(僕だって……)
静かに握られた拳が、小さく震えた。