第37章 導きの先、繋がる道
オ「単刀直入に聞くが、緑谷少年はナイトアイの下で働けると思うかい?」
通「なるほど!緑谷くんをサーに紹介してやれってことですね!」
「俊典さんが直接言わないんですか?未来さん、きっと喜ぶと思いますよ」
通「時間があれば、いつもオールマイトの動画見てますからね」
オ「正直、合わせる顔がない。私は結局、彼の忠告通りになっているからね」
「……」
オ「で、どうだろうか?」
通「そうですね…じゃあ君は、どういうヒーローになりたい?」
通形の問いに、緑谷は少しだけ息を整えて答える。
脳裏に浮かぶのは母の心配する顔、洸太くんを救ったあの夜、マスキュラーの咆哮、そして…の笑顔。
緑「誰にも心配をかけないくらい、必ず勝って、必ず助ける」
言葉を重ねるうちに、自然と視線がへ向く。
緑「…大切な人の笑顔を守る、最高のヒーローです」
口にして初めて気づく。
自分が“なりたいヒーロー”の形が、誰かの笑顔の上にあったことに。
その理想がどれだけ難しくても。
だからこそ、強くならなければいけない。
その光を宿した瞳を見て、通形は苦笑しながらもどこか嬉しそうに言った。
通「めちゃくちゃな目標だね。でも……断る理由、ないな!」
緑「えっ!?本当に!?ありがとうございます!!」
通「あぁ、元々サーが好きそうなタイプだと思ってた!」
満面の笑みを見せる緑谷を見て、もつられて微笑む。
「よかったね、出久」
そんな2人の姿を見つめながら、オールマイトは静かに思い出していた。
雄英に来る前、校長が言っていた「後継にふさわしい生徒がいる」という言葉。
それが、目の前の通形ミリオだった。
オ(緑谷少年に出会っていなかったら……彼は私の…)
「俊典さん?」
オ「あぁ…いや、なんだい、くん?」
「少し思い詰めた顔をしてましたから…」
オールマイトは、ほんの少しだけ柔らかく笑った。