第37章 導きの先、繋がる道
通「遠距離はこれだけ!あとは近接主体ばかりだよね?」
切「なにしたのかさっぱりわからねぇ!」
麗「すり抜けるだけでも強いのにワープとか…」
尾「それってもう無敵じゃないですか!」
(無敵…か)
それに対し、緑谷は冷静に勝ち筋を探ろうと提案した。
通形が消え、次に現れる場所を予測していた緑谷だったが触れることすらできず、近接組も一瞬にしてやられてしまった。
通「パワーーーーー!!!」
服を着直したミリオが、晴れやかな笑顔で生徒たちに向き直る。
通「とまぁ、こんな感じなんだよね!俺の個性、強かった?」
強すぎる!ズルい!
そんな声が飛び交う中、ミリオは楽しそうに笑った。
通「俺の個性は、透過なんだよね!」
ワープのように見えた理由を説明すると、生徒たちは感嘆の声を上げる。
だがミリオはゆっくりと首を振った。
通「強い個性にしたんだよね」
その声に、空気が変わる。
ふざけていた雰囲気が、一気に真剣なものへと変わっていく。
通「発動中は息もできない。耳も聞こえないし、目も見えない。何も感じられない。だから、ほんの一歩動くにも工程がいる」
全員が息を呑んだ。
通形の笑顔の裏にある、数えきれないほどの努力と孤独が見えた気がした。
通「この個性で上に行くには、遅れを取っちゃダメだった!予測!周囲よりも早く!時に欺く!何より必要なのは“経験”!!経験が予測を作るんだ!」
そう言って、拳を軽く握る。
通「だから手合わせをしたんだ。経験で、伝えたかった」
そのまま言葉を重ねる。
通「インターンにおいて我々はお客ではなく1人のサイドキック!プロとして扱われるんだよね!俺はインターンで得た経験を力に変えて、トップを掴んだ!ので、怖くてもやるべきだと思うよ、1年生!!」
その言葉が胸に響いた瞬間、体育館に拍手が広がった。
最初は困惑していた生徒たちが、今は目を輝かせている。
熱気と希望が入り混じる空間の中で、はそっと微笑んだ。