第34章 愛が生む力、蠢く悪意
その夜、雄英でオールマイトと塚内、そして校長と相澤の4人で会議が開かれた。
無機質な蛍光灯が、無言のまま4人を照らしていた。
塚内は書類を机に置き、ゆっくりと口を開く。
塚「あの男は何を言ってきた?」
オ「相変わらずだったよ。それから…くんについて、妙なことを言っていた。成長だとか、体が出来上がっている、とか…愛が力になる、とか。あいつの言葉はどこまでが真実か分からん」
塚「“愛が力”ね。詩人にでもなったつもりか、あの怪物は」
塚内は短くため息をつく。
オ「それから…校長。相澤くんは…知っているのかわからないが…。くんの体は何かが蝕んでいると言っていた。それは何なんですか?」
相「!!」
オ「…その反応、相澤くんも知っているんだね」
校「…あぁ。くんの名誉を思い、公表を避けていた。……彼女は、連合に連れ去られた際に“ある薬物”を投与されている」
オ「!!!!薬物……だと?」
校「正確には、強制的に感情を昂らせる類のもの。……媚薬に近いと言われている」
空気が一瞬で凍りついた。
蛍光灯の下、誰も呼吸を忘れたように沈黙する。
校長はそのまま続けた。
校「それによりくんは不定期に発作が起きる。それを鎮める方法は、眠らせるか発散させる、この2点のみ。眠らせた場合、起きた時に倍の衝動が彼女を襲うそうだ」
オ「じゃあ……」
校「あぁ。発散させる、これが1番彼女を救える方法だ。…だから相澤くんにそれを任せた」
オ「相澤くん…」
オールマイトの胸の奥で、何かが熱くなった。
相澤のを見る眼差しは、いつだって真っ直ぐだった。
あれは、確かに“愛”だ。
オ「それを知っているのは校長と相澤くんだけかい?」
相「……すみません。私が不在の時に発作が起きてしまい……生徒2名に、知られてしまいました。」
部屋の空気がまた、静かに凍りついた。