第34章 愛が生む力、蠢く悪意
相澤の悔しそうな表情。
握る手は震えている。
息を吸い、一気に伝える。
相「一人は爆豪。私はその時任務で不在で助けられなかった。もう一人は轟。この時は轟の私用にが付き合っている際に起きました。連絡が来てすぐに駆けつけようとしましたが、途中ヴィランによる通行止め等があり、間に合わなかった」
苦しそうに、言葉をひねり出す。
その声色から、どれだけ辛いのかが手に取るように分かるほど。
校「相澤くんの責任ではない」
相「あいつらは…のことを本気で"好き"だと言っている。それは俺にも、確かに伝わっています。だが生徒と教師、そこは境界線を引くべきだともわかっている。だがそれにすら縋らなければならない状態にまでなってしまう。もうそんなことがないように…俺が、1番近くで守ってやりたい。早く、救ってやりたい」
校「……私も、彼女を救いたい。だから今、医療機関と研究機関と治療を進められるように相談しているところなのさ」
塚「リカバリーガールは?」
校「相談し、治療もしてみたけど、リカバリーガールの手には負えないようだったよ」
オ「そうだったのか…」
塚「一刻も早く彼女を救おう。そのためには、彼女の体の状態を正確に知る必要がある。個性のデータも再度確認しておく必要がありそうだな」
校「彼女が幼い頃から血液を提供している病院があるのさ、そこに情報提供するよう頼んでみよう。元々、クスリの相談はしているからすぐに対応してくれるはずなのさ!」
塚「よし、すぐに動く。オールマイト、君は彼女の身辺を引き続き見張っていてくれ」
オ「あぁ。彼女の笑顔を、二度と曇らせたくはない」
校「……みんな、ありがとう。くんは、雄英にとっても、私たちにとっても、大切な存在なのさ」
4人は立ち上がった。
誰も言葉を交わさないまま、重い空気を引きずるように部屋を後にする。
それぞれの胸に、ひとりの女性の姿が焼き付いていた。
どうか、がもう一度笑えますように。
その頃、グラウンドβでは、もう一つの火花が散ろうとしていた。