第34章 愛が生む力、蠢く悪意
A「君が全て奪ったからだろう。この管で僕はようやく生命を維持してる。無限に思えた僕の理想は君の登場によって有限となったんだ。終わりがあれば人は託す。はもっと成長しなければならない。だからこそ1度こちらで"預かった"。体は"ほぼ"出来上がって…今も少しずつ、成長を続けている。そうすれば、私の理想は“永遠”となる」
その不気味な笑みは、鉄と硝子に閉ざされた空間の空気さえ凍らせた。
オールマイトの胸の奥に、言葉では割り切れぬ寒気が走る。
オ「意味がわからないな…くんの成長?体が出来上がっている?ちゃんと説明しろ」
ニヤリとしながらオールフォーワンは口を開いた。
A「いいや、教えないよ。でもそうだな…ヒントくらいはあげてもいいか。の体はある物が蝕んでいる。まぁこれは…本人と校長と…もう数人は知っているだろうね」
オ「何…をしたんだ…」
そのままオールフォーワンはニヤニヤとしながら続ける。
A「愛されなければ満ちぬ。愛を注がれねば“回路”は完成しない。だから私は、狂わせた。欲を与え、渇きを植えつけた。男たちはあの子を愛し、あの子はその愛に反応して力を得る。それがを成長させる」
オ「意味がわからない。くんが愛されるのはよくわかる、あの子は強い、心も綺麗だ。それが何を成長させるっていうんだ。なぜそれがお前の理想に繋がる?」
A「“愛”は力だよ。だがそれは同時に“呪い”でもある。愛は欲を生み、欲は支配を生む。弔もまた、あの子に心を奪われた。皆、彼女に縛られる。この世で一番恐ろしいのは、憎しみでも死でもない。“愛”だ。醜く、汚く、抗えない」
オ「違うな…。守りたい、と思う根源は愛だ。愛ほど強く、美しいものはない」
A「君は人を愛したことがあるのか?」
オ「そういうお前こそ、あるのか?」
A「なくとも僕には手に取るようにわかる。人間が持つ感情の中で最も醜い物だ。愛は、人を壊す」