第33章 試される力、届かない想い
外はすっかり夕日で赤く染まっていた。
緑谷は、発行してもらった仮免を持って感動に打ちひしがれていた。
「出久、おめでとう」
緑「ちゃん!ありがとう!…色んな人に助けられて、色んな人に迷惑かけてきたから……だから、成長してるなって証みたいで、なんか嬉しいんだ」
その笑顔はまぶしいほど純粋で、あの日の泣き虫だった少年の面影はもうなかった。
はそんな緑谷を見て、胸の奥がじんわりと温かくなる。
ふわりと、緑谷の頭を撫でた。
「よく、頑張ったね!出久!」
緑「っ…うん!!」
その時、夜嵐がまた嵐のように走ってきた。
夜「おーい!さーん!」
勢いのまま手を掴まれ、は少し驚く。
「っ!」
夜「俺!ちゃんと仮免取って、立派なヒーローになってみせます!さんに好きになってもらえるような、かっこいいヒーローに!」
「ふふ、ありがとう、頑張ってね!焦凍とも、仲良くなれるといいね」
夜「…正直、まだ好かんすけど!頑張ります!じゃ、また!」
本当に嵐のように来て、去っていった。
轟「…」
去っていく夜嵐の背中を、轟が無言で見送る。
その横を、真堂が通りかかって立ち止まった。
パッとの手を取り、真剣な顔で伝える。
真「僕も、頑張ります。絶対諦めませんから!」
「うん、揺くんも頑張ってね!」
真堂は微笑みながら軽く頭を下げ、また傑物学園の仲間たちの元へと戻っていった。
はその背を見送りながら、ふと視線を相澤へ向ける。
「無事終わって、良かったですね」
相「お疲れさん。そうだな」
夕陽の中で笑うに、相澤も、生徒たちも、ほんの一瞬、目を奪われていた。