第33章 試される力、届かない想い
轟は、の首もとにある小さな傷を見つけた。
指先がそっとそこに伸びる
轟「これ…どうした?大丈夫か?」
「え?何?」
轟「傷…少し血が…出てる」
「ほんと?気付かなかった」
2人の距離は近く、言葉にしなくても分かる信頼がそこにあった。
見えない絆。
その深さに、真堂と夜嵐は思わず息を呑む。
「早く治してみんなの所行かなきゃ!あと焦凍だけだよ!」
轟「あぁ。でも血が…」
そう言っての首に轟の唇が近づく。
「ちょっ…!」
真「轟くん。僕らも居るんだけど。それに先生困ってる」
轟「あぁそうか…わりぃ」
唇が離れ、空気がふっと和らぐ。
だが次の瞬間、轟は静かに言った。
轟「終わったなら戻っててくれねぇか。と2人がいい」
真&夜「!!」
真「絶対に嫌だね。2人が付き合ってるって言うなら話は別だけど」
轟「いや…俺が好きなだけだ」
その轟の真っ直ぐな想いに2人は一瞬、息が止まった。
真「じゃあ嫌だね」
轟「…そうか。じゃあ、よろしく頼む」
その言葉のあと、は静かに轟を抱きしめた。
眩しい光が2人を包み込む。
時間にすればほんの十秒。
けれど、その間に交わされた想いの深さを、 真堂も夜嵐も、確かに感じ取っていた。
「どう?」
轟「あぁ。いつもありがとう」
“いつも”
そのたった3文字が、真堂と夜嵐の胸を強く締めつけた。
「よし!みんな復活!着替えてまた外に集合ね!」
そんな想いとは裏腹に、明るいの声が響く。
医務室を出て3人になった時、轟は口を開いた。
轟「…は、だめだ」
力強い眼差しで、2人を見据えてそう伝えた。
2人は顔を見合わせ呟いた。
「「引くつもりはない!」」