第33章 試される力、届かない想い
医務室に来た3人。
たしかに同じ想いがに向いていた。
轟ほど大きくも深くもないかもしれない。
だが、真堂も夜嵐も、"好き"という気持ちは同じだった。
「みんな大丈夫?」
轟「…俺…」
「お疲れ様、最後のすごく良かったよ!イナサくんも」
夜「ありがとうございます、さん」
やはり少し落ち込んでいるみたいだった。
「きっと2人とも、色々な思いがあったんだよね。根本ってなかなか変えれない。でもあの時、ちゃんと協力できた。これは凄い事だよ」
そう言って、は優しく2人の頭に手を添えた。
音波による頭痛や吐き気を癒しながら、その奥にある“痛み”まで感じ取っていた。
「イナサくん、立ってこっち向いて?」
夜嵐は素直にその通りにした。
そしてその大きい体にはそっと抱きついた。
2人を柔らかい光が包む。
夜「なっ!?」
真堂は目を見開き、轟は視線を逸らす。
「まってね、もう少し」
10秒ほどして腕を離すと、そこには真っ赤な顔の夜嵐が立っていた。
「ごめんね、こうするしかないの…」
夜「い、いや!違うんす!逆に…いいんすか!?って感じで…、だから…」
「治った?」
夜嵐は一瞬きょとんとし、それから気づいたように笑った。
もう、頭痛も目眩もすっかり消えている。
夜「はいっ!めちゃくちゃ元気になりましたぁ!」
それを聞いたは柔らかく笑った。
「焦凍も、おいで」
いつものように優しい声で呼びかける。
だが轟は、少し俯いたまま首を振った。
轟「…最後でいい」
まだ目が合わない轟。
そっか、と一息置いて真堂に目を合わせる。