第33章 試される力、届かない想い
夜「関係ないだと?あるんだなこれが」
夜嵐の瞳には、確かな怒りが宿っていた。
そして、エンデヴァーの“遥か先を憎むような目”が嫌いだと吐き捨てた。
轟は試験に集中しようと炎を放つ。
だが夜嵐の風がその炎を弾き、軌道を変えた。
その先にいたのは真堂だった。
「揺くん!」
の声とほぼ同時に、緑谷が飛び出した。
その腕で真堂を抱きかかえ、救い出す。
緑「何を…してんだよ!」
2人はハッとした。
その瞬間、轟の頭に衝撃が走る。
轟(風の個性…そうだ、引っかかってた。あいつだ、確かに。なんで思い出せなかった?こんなうるせぇ奴を…)
脳裏に蘇る、あの日の推薦入試。
轟(見てなかったんだな、本当に…やつを否定するために、それだけだったから)
過去も、血も、忘れたままじゃいられない。
2人は隙をつかれ、ギャングオルカにやられてしまった。
夜(嫌だったものに…自分がなってたよ)
轟(俺のしてきたことがこの事態を招いた)
無駄に張り合って、相性最悪、連携ゼロ。
動けない2人はそれでも諦めなかった。
倒れたまま、轟は炎を這わせ、夜嵐はそれをすくい取り、ギャングオルカを炎で閉じ込めた。
ギ(先程までの愚行が消えるわけではない。だが…いいじゃないか)
2人がギャングオルカを封じた後、続々と他の受験者が加勢しサイドキックたちを制圧していった。
終了のブザーが鳴り響く。
目「えー…ただいまをもちまして、配置された救助者がすべて危険区域から救助されました」
集計の後、この場で合否の発表をするとアナウンスがあった。
はけが人の治療のため、医務室へと向かった。
幸い、重傷者は少ない。
が担当するのは真堂、夜嵐、そして轟の3名だけ。
他の者は軽傷と判断され、公安の判断で治癒の必要はないとされた。