第33章 試される力、届かない想い
そしてついに、ブザーが鳴り響いた。
目「ヴィランにより大規模テロが発生」
また建物が"展開"され、会場に足を踏み入れる。
当たりは一面、倒壊した建物だらけだった。
目「それでは、スタート!」
一斉に走り出す。
は救助のプロ。
今回は採点係で皆をしっかりとした目で観察する。
遠くからその姿を見つめる相澤。
静かに腕を組みながらも、その目にはいつもの鋭さではなく、柔らかな光が宿っていた。
隣にいたジョークがふと驚いたように目を細める。
Mrs(イレイザー…こんな表情すんのか。初めて見た)
受験者たちはそれぞれ懸命に動いていた。
A組の姿は見えないが、きっと彼らも冷静にこなしているだろう。
そう思いながら、は胸の奥で祈るように見守る。
目「開始から10分。さすが鍛えてきただけあって、皆さんよくやっています」
目良が採点モニターを見つめながらそう告げた。
その直後、ドォン!と大きな爆音が響き、崩れ落ちる建物。
受験者たちが悲鳴を上げる。
目「ヴィランにより大規模テロが発生」
その実況と共に現れたのは、ヴィラン役のギャングオルカ。
ギ「救護と対敵。すべてを平行処理できるかな?」
目「現場のヒーロー候補生は、ヴィランを制圧しつつ救助を続行してください」
その瞬間、空気が一変する。
戦うか、守るか、助けるか。
それぞれの“ヒーローとしての判断”が試される。
真堂が真っ先に立ち向かうが、圧倒的な力の差で吹き飛ばされてしまう。
ギ「なめられたものだな」
轟はすぐに氷結で他のヴィランを拘束。
そこへ夜嵐が駆けつけ、轟の氷で固められたヴィランを一気に吹き飛ばした。
視線が交わる。
合わない呼吸。
食い違う意地。
夜「だってアンタは、あのエンデヴァーの息子だ!」
轟「さっきからなんなんだ!親父は関係ねぇだ…」
ぶつかり合うような言葉。
だが次の瞬間、轟の体がセメントで固められた。
ギャングオルカのサイドキックの攻撃だ。
ギ「論外だな。喧嘩を始めるとは」
それをみていたも不安が募る。