第33章 試される力、届かない想い
なぜか緑谷は上鳴と峰田に責められていた。
困っている緑谷の名を呼び、3人の顔がこちらに向く。
「よく頑張ったね、お疲れ様」
よしよし、と柔らかい深緑の髪の毛を撫でた。
上「なんで緑谷!?俺は!?先生俺は!?」
峰「うぉおおお緑谷てめぇ先生とまでいい思いしてなんなんだよぉおおお!!!」
「2人も、よく頑張ったね」
同じように頭を撫でてやると、ふにゃりと地面に溶けていくように崩れていった。
上「あぁ…俺マジで次も頑張れる…」
峰「はぁ…オイラの女神…勝利の女神だ…」
いつものように騒ぐ2人を、は苦笑いしながら見て見ぬふりをする。
爆「てめェら……」
ゴゴゴ…と今にも怒鳴りそうな爆豪に、士傑高校の人達が話しかけに来た。
毛「肉倉…糸目の男が君のところに行かなかったか?」
試験中の無礼を詫び、改めて良い関係を築きたいと伝える。
それを聞いた轟は、ふと眉を寄せた。
轟(いい関係…?しかしあの顔は…)
夜嵐が自分を見たときの、あの冷たい視線。
まるで恨みのような、刺すような光。
轟「おい、坊主のやつ」
静かに声をかけると、夜嵐がぴくりと反応する。
轟「俺、何かしたか?」
2人の間に嫌な沈黙が流れる。
夜「………いやぁ申し訳ないっすけどエンデヴァーの息子さん。俺はあんたらが嫌いだ。あの時よりいくらか雰囲気変わったみたいっすけどあんたの目はエンデヴァーと同じっす」
その言葉に、ははっと息を呑んだ。
(もしかして焦凍…イナサくんのこと、覚えてないの?)
2人は推薦入試で同じ会場にいた。
お互いに目立つ存在、知らないはずがない。
夜「じゃ、さんまた!俺頑張るっす!」
「う、うん!頑張れ!」
ケロッと笑顔に戻った夜嵐は手を振り、その場を去る。
残された轟は、ただぽかんと立ち尽くしていた。