第33章 試される力、届かない想い
相「おい、コスチュームに着替えてから説明会だぞ。時間をムダにするな」
相澤の声で、ぼんやりしていた意識が引き戻される。
「「「「はい!」」」」
生徒たちの後ろから相澤と共に会場に入る。
相「今日は公安のほうの手伝いだったな」
「はい、しっかり生徒たちを見たいんですが…」
相「あいつらなら大丈夫だ」
そう言って、大きな手がふわりと頭に乗せられる。
それだけで、心の奥に絡まっていたもやもやが少しずつほどけていく。
相「何かあったら、すぐに俺に連絡しろ」
「っはい…」
何かあったら、その本当の意味には顔を赤くする。
やがて相澤と別れ、関係者控室へと足を進める。
ガチャ、と扉を開けると、
「善見(よくみる)さん!」
目「おぉ、…」
久々に見る顔。
どこか疲れている様子に、は思わず笑みを浮かべた。
目良とは、ちょくちょく顔を合わせていた。
日本に来てからヒーローの免許のことを色々としてくれた人。
「今日もお疲れですね…」
目「あぁ…早く帰りたい…」
「まだ始まってもないですよ。ほら、来てください」
両手を広げると、目良は少し照れくさそうに微笑んでからを抱きしめた。
次の瞬間、あたたかい光がふたりを包み込む。
目「はぁ〜…これで少しは頑張れそうだ。ありがとう」
は通過者用の控え室に行き待機、目良は仮免試験の説明等のため壇上へと向かった。
いよいよ仮免試験が始まる。
目「えぇ〜…今から仮免のやつをやります」
その気の抜けた挨拶に、生徒たちの緊張が一瞬ほぐれる。
けれど続いた説明で、空気は一気に引き締まった。
受験者1,540名。
条件達成者・先着100名が合格。
圧倒的に狭き門だ。
目良がルールを説明し、合図とともに地形が“展開”される。
試験会場が変化し、ブザーが鳴り響く。
(頑張れみんな……)
の祈りを乗せて、仮免試験が幕を開けた。