第33章 試される力、届かない想い
Mrs「あ!今話題のだ!」
弾ける声とともに、ジョークが駆け寄ってきた。
Mrs「うっわ…テレビでみるよりかわいいなぁ〜!よろしくな!」
「笑(えみ)さん、よろしくお願いします」
ふわりと笑うと、ジョークは固まった。
Mrs「なぁイレイザー」
相「なんだ」
Mrs「生で見たら尊すぎて光合成できそうなんだけど!これ国の宝でしょ!?保護しなきゃダメなやつ!」
相「お前が1番危ねぇよ…」
はははと、また周囲の笑いを誘った。
Mrs「おいでみんな!雄英だよ!」
その声に応じて、傑物学園の制服を着た生徒たちがぞろぞろと集まってくる。
その中のひとりと目が合った瞬間、の時間が止まった。
まっすぐな瞳。
逸らすこともなく、そのまま目の前まで歩いてきて、ぎゅっと手を握られた。
「っ!?」
真「好きです」
「「「「!?!?」」」」
「えっ?」
真「僕の名前は真堂揺。テレビで見た瞬間から、あなたに会いたくて会いたくて仕方なかったんです!ほんとうに綺麗だ…」
「あ、ありがとう…っ」
突然の告白に頬が熱くなる。
でも、その笑顔の奥に、一瞬だけ“影”が見えた気がした。
上「どストレートに爽やかなイケメンだ…」
ざわつく空気の中、爆豪の手が真堂の手首を掴む。
爆「おい、とっとと離せや」
真「あぁ、さんびっくりさせてすみません。…爆豪くん。君は特別に強い心を持っている!今日は君たちの胸を借りるつもりで頑張らせてもらうよ」
爆「ふかしてんじゃねぇ。セリフと面が合ってねェんだよ」
切「おいコラ失礼だろ!」
切島が慌てて割って入り、代わりに頭を下げる。
その向こうでは、轟のまわりに女子生徒たちが集まっていた。
無邪気な声に囲まれ、轟が少し困ったように笑う。
その光景を見た瞬間、またの胸がチリ、と痛んだ。
(なんで…)
轟は、優しくて、強くて、誰が見ても完璧だ。
きっとこれから、たくさんの人が轟に惹かれていく。
その誰かと幸せになってほしい。
そう願っている。
そう、思っているのに。
胸の奥が、少しだけ熱くて、苦しかった。