• テキストサイズ

【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第33章 試される力、届かない想い


「イレイザー?イレイザーじゃないか!」

相「!!!」

ギクッと肩が動いた。
珍しく、相澤が動揺している。

「?」

その声の方へ振り返ると、軽やかな笑い声と共に、鮮やかな緑髪が揺れた。Mrs.ジョーク。

Mrs「テレビや体育祭で姿は見てたけど、こうしてじかで会うのは久しぶりだな!」

相澤は心底めんどくさそうな顔をしている。

Mrs「結婚しようぜ!」

「!」

その瞬間、胸の奥がチリっと痛んだ。
なんだろう、この感じ。
なんだか、妙に苦しい。

相澤の「しない」という即答が、妙に遠くに聞こえた。
声は確かに届いているのに、心には入ってこない。

ただ、黒い塊みたいなもやもやが胸に残って、
そこからずっと、何を聞いても頭に入らなかった。

ぼーっと、2人が話しているのを見ていた。
焦点が合わない。
世界が少し遠い。

その表情に気づいた爆豪と轟の胸が、ぎゅっと痛んだ。
緑谷も飯田も、ただの横顔を見つめるしかできなかった。
儚い表情に4人は釘付けだった。

Mrs「私と結婚したら笑いの絶えない幸せな家庭が築けるんだぞ!」

(結婚……)

考えたこともない未来の言葉。
一瞬だけ、想像してみた。

でも、なにも浮かばなかった。
誰といるのか、誰といたいのか。
自分でも、わからない。

だから、考えるのをやめた。

蛙吹がふと口を開く。

蛙「2人は仲がいいんですね」

Mrs「昔事務所が近くてな!助け、助けられを繰り返すうちに相思相愛の仲へと…」
相「なってない」
Mrs「いいなその速攻のツッコミ!」

彼女の個性は“爆笑”。
冗談だって、わかってる。
それでも、なんでこんなに苦しいんだろう。

唇を噛み締めた瞬間。
ふいに、温もりが手に触れた。

爆「ンな顔してんじゃねぇよ………」

「勝己…」

その手はすぐに離された。
けど、その一瞬だけで、少し息ができた。

爆豪の顔もまた、痛みをこらえるように歪んでいた。
/ 508ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp