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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第33章 試される力、届かない想い


そしてついに仮免試験の日。

朝の空気はいつもより張り詰めていた。
笑い声も少なく、バスの中は妙に静かだ。

いつもなら「の隣争奪戦」でちょっとした騒ぎになるのに、今日は誰も動かない。
生徒たちの視線の先、の隣には当たり前のように相澤が腰掛けていた。

バスに揺られて会場へ向かう。
緊張、焦り、闘志、期待、それぞれが違う色を胸に宿していた。

到着して、が足を踏み出した瞬間。

「わっ…!」

ほんの少しバランスを崩すと、相澤の手が素早く伸びて、の腰を支えた。

相「気をつけろ」

短い言葉なのに、低く響く声に心臓が跳ねた。

「あ、ありがとうございます…」

そのやりとりを見ていた女子たちが、ニヤニヤと目を合わせる。
一方、男子勢の間には目に見えない火花が散る。

爆豪は舌打ち。
轟は無表情のまま、ほんの少し眉を寄せた。
緑谷、飯田、切島、上鳴、瀬呂――
みんな、胸の奥に同じ感情を押し込めていた。

(…だって、好きだから)

誰も言葉にしない。
でもその想いが会場の空気を、少しだけ熱くした。

そんな気持ちを押し殺して、仮免へと気持ちを向けた。

峰「はぁ…仮免取れっかなぁ…」

ため息混じりの峰田の声に、相澤の厳しい一言が落ちる。

相「取れるか、じゃない。取ってこい」

その言葉に、空気がピリッと引き締まる。

峰「お、おおっ!!も…モロチンだぜ!」

(まったく…)

相「この試験に合格し、仮免を取れば、お前ら卵は晴れてヒヨっ子…セミプロへと孵化できる。頑張ってこい」

その瞬間、A組全員の目に光が宿る。

切「いつもの一発決めていこうぜ!」

切島のプルス…という掛け声がかかる。

「ウルトラ!!!!!」

と、後ろからまったく知らない声が混ざる。

肉「勝手によそ様の円陣へ加わるのはよくないよ、イナサ」

夜「しまった!どうも大変失礼いたしました!」

地面にめり込むほど頭を下げる。
その勢いに圧倒される。

あのいつもテンションの高い上鳴でさえ、若干引いている。
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