第31章 出会った男、不穏な気配
「やっぱり危険人物なんですか?ヒーローになる時、資料で読んだだけなんですけど…」
ナ「これは内密だが…。今、治崎を中心に死穢八斎會がまた大きくなり始めようとしている。だが、何か悪事をたくらんでいるという証拠を掴めない。だからヴィラン扱いが出来ない…が、我々は奴らの尻尾を掴もうとしている」
「…そうだったんですね」
の手が小さく震える。
それを見て、ナイトアイは少し落ち着きを取り戻したように深呼吸した。
ナ「…本当に無事でよかった」
だが、ナイトアイの目にはまだ疑念と驚きが残っていた。
ナ「詳しく聞かせてくれ。…どんなふうに、彼と?何を話した?」
は頷き、出会いの経緯を語った。
雨の中でぶつかり、転び、手を取られて。
そして、抱きしめられたことも。
その時のことを思い出すと、なぜか胸の奥がざわつく。
話を聞き終えたナイトアイは、絶句したように沈黙した。
やがて、低く呟く。
ナ「……治崎が、あの男が…?」
ナイトアイは腕を組み、険しい表情で目を閉じた。
ナ「……ありえない。あの男は、極度の潔癖症だ。誰かに触れられるなど、まず考えられん」
「…そう、なんですか?」
ナ「…しかも、抱きしめた?」
その声には、怒りと困惑が混ざっていた。
ナイトアイの鋭い視線が、を真っすぐに捉える。
ナイトアイは深いため息を着いて、いすから立ち上がった。
そしての前まで足を進め、ゆっくりと抱きしめた。
ナ「本当に…無事でよかったよ……」
はそんなナイトアイの背中にゆっくりと手を回した。
そして小さな声で謝った。
「ありがとうございます…。心配かけて…すみません」
ナイトアイは、の無事を確かめるように暫くの間抱きしめていた。