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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第31章 出会った男、不穏な気配


螺旋階段を登り、ドアを開けると、控えめな電子音が鳴る。
中は静かで、書類の整った机とオールマイトのポスターが何枚も飾ってある壁。
変わらない几帳面さに、思わず小さく笑ってしまう。

「…?」

その声が聞こえた瞬間、胸がきゅっと締めつけられる。
振り向いた先で、背の高い男が眼鏡の奥からこちらを見ていた。

「未来さん!」

驚いたように目を見開いた未来ことナイトアイは、すぐに早足で近づいてきた。
そして、濡れたの肩や髪に気づいた途端、表情が和らぐ。

ナ「なぜ濡れている!?傘は!?予測が大事だといつも言っていただろう…!!」

ナイトアイは苦笑しながらタオルを取り、ためらいもなくの髪をそっと拭ってくれた。
その動作はどこまでも丁寧で、優しい。

……ああ、この人の手は。

さっき感じたあの“温もり”とは違う。
乱れた心を静かに包み込むような、穏やかなぬくもり。

「…ありがとうございます、未来さん」

ナイトアイは微笑む。

ナ「久しぶりだな。元気そうで何よりだ」

その笑顔を見て、ようやく胸の奥にあった緊張がふっと解けていく。
雨上がりの空のように、少しだけ心が明るくなった気がした。

そして手を広げ、思いっきり抱きついた。
少ししてゆっくりと離れる。

ナイトアイはタオルをの肩にかけ、ゆっくりと息をついた。

ナ「まったく…昔から、落ち着きがない」

は思わず笑ってしまう。

「そ、そんなことないですよ!今日はたまたまです!」

ナ「たまたま…ね。そういう時ほど厄介なことに巻き込まれていた気がするが」

「うっ…否定できません」

2人の間に、柔らかな笑いが広がる。
長い時間が空いていたのに、不思議と距離は感じなかった。

静かな部屋の中に、雨上がりの光が差し込み、空気をゆるやかに染めていく。
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