第29章 静かな熱、寄り添う心 ※
電話を切り、に目を向ける。
まだ苦しそうだ。
轟「…」
「はぁ、しょうと…っ」
轟「相澤先生、向かってるって」
「そ、っか…」
轟「雄英からここまで1時間はかかる。それまで我慢できるのか?」
「え………」
轟「さっき相澤先生と電話して確信した。助けた時…色々痕とかあったから心配はしてたんだ。クソ連合。ぜってぇ許さねぇ」
「ありが、と…っ、しんぱい…。ごめんね…っ」
轟「俺が、助けたい。だめか?」
の目は大きく開かれる。
「ほんとに、いみ…、わかっ…てる?」
轟「…わかってる。俺はが好きだ。だから…」
「だからこそ…っ、だめ、だよ。しょう、たさんも…っ、いってたでしょ?」
轟「……でも、苦しそうだ。俺じゃ…だめか?今、目の前に居るのは俺だ」
「っ………」
だめ、なんて言えば嘘になる。
本当は触れて欲しくて仕方ない。
伸ばされた手を掴んでしまいたい。
だけど。
「だ、め…なの…っ。だから、…はな、っれて…」
轟「…それは無理だ。離れねぇ」
「おねが、い…じゃないと…っ」
轟「じゃないと、なんだ?」
触れてしまう。
どうしても、触れてほしくなってしまう。
その、熱い手で。
その、大きな体で。
奥の、奥まで。
でも、まだ理性が働いている。
「……っ、しょ…うと…」
轟「……わかった、俺からは触らねぇ。ただ、傍には居させてくれ」
轟の声は静かで、けれど温かくて。
の胸の奥に、じんわりと染み込んでいく。
どうして、こんなに優しいんだろう。
そういえば、相澤先生薬とか言ってたな。
それ飲めば少しは和らぐのか?
轟「、薬があるんじゃねーのか?」
轟は急いでそれを取りに行き、薬と水を持って戻る。
の手にそっと薬を渡すと、その震える指先が、自分の指にほんの少し触れた。