第29章 静かな熱、寄り添う心 ※
轟「っ…持って、きたぞ」
「あ、りがと…っ」
震える手で文字が打てそうにない。
は電話をかけることにした。
名前をタップすると、呼出音がなる。
Prr…ガチャ
1コールも鳴らないうちに相澤は電話に出た。
相「どうした?」
「はぁっ…はぁっ」
相「!!くそっ…今どこだ!?まだ轟の家か!?」
その時、の手からスマホが奪われた。
驚く暇もなく、轟が受話口に顔を近づける。
相「おい!!どのくらい我慢できそうだ?薬は持ってるか?すぐに向かう、それまで待っ…」
轟「相澤先生」
電話の向こうで、一瞬、息が止まったような気配。
相「………轟」
轟「の様子がおかしい。とても苦しそうです。俺に出来ることはないですか」
相「……ない。に薬を飲ませてくれ。俺が行くまで何もせず待ってろ」
轟「じゃあ、じゃあせめて!の状態を教えてくださいよ!」
相「それは…無理だ。とにかく、俺が行くまで」
相澤の言葉を、轟は静かに遮った。
その声には、冷静さと怒りが入り混じっている。
轟「わかりました。今ので全部。、連合に連れ去られた時、何かされたんでしょ」
相「………」
沈黙。
わずかに息を吐く音だけが、スピーカー越しに聞こえる。
轟「俺に言えないってことは…たぶん、そういうやつ。相澤先生と話して繋がりました」
相「はぁ…お前は。……とにかく待ってろ」
車のエンジンの音がする。
轟「のこと好きなんですか。付き合ってるんですか」
相「…会った時にまた話そう、今はとにかく」
轟「俺はが好きだ」
沈黙が落ちる。
轟の声は震えていたが、どこまでも真っ直ぐだった。
轟「小さい頃からずっと。どうしようもないくらいに。先生がに気持ちがないのなら、俺がを助ける」
相「……気持ちがないわけないだろ」
低く、苦しそうな声。
理性と感情の狭間で、何かを押し殺すような響きだった。
相「これは大人の問題だ、子供が入っていい事じゃない。ましてや轟は生徒だ。とにかく落ち着け」
轟「……放っておけるわけないでしょ」
ガチャ
通話が切れる。
相「おい!!おい!轟!!!」