第20章 奪われた手、攫われた光
相澤の顔を見るやいなや緑谷は口を開いた。
緑「大変なんです。伝えなきゃいけないことがたくさんあるんです」
相「おい…」
緑「ちゃんとかっちゃんが危ない!!!でも、まだ僕マンダレイに伝えなきゃいけないことがいっぱいあって…」
相「おいって…」
緑「洸太くんをお願いします!水の個性で……」
息を荒げ、早口でまくしたてる緑谷。
その勢いに、相澤は思わず眉をひそめた。
相(ハイになってやがる…)
洸太を託すと、緑谷はすぐに走り出そうとする。
相「そのケガ、またやりやがったな。保須でのこと忘れたのか?」
緑「あっ…いや…」
相「だからマンダレイにこう伝えろ……」
短く命じ、相澤は洸太を抱き上げた。
緑谷は頷き、迷わず森の奥へと駆け出しマンダレイの元へ。
緑「マンダレイ!洸太くん無事です!それから…相澤先生からの伝言です!A組B組総員、プロヒーローイレイザーヘッドの名において戦闘を許可する!テレパスで伝えてください!」
その報せを受け、マンダレイはすぐにテレパスを発動。
相澤はその頃、洸太を抱え走りながら、荼毘の言葉を思い返していた。
相(あの言い草は完全に、生徒かがターゲット。もしくは両方か……ならやむを得ないだろう、生存率の話だ、自衛のすべを。後で処分を受けるのは俺だけでいい)
マンダレイは全員への伝達を終えると、緑谷に戻るよう指示を出した。
だが、緑谷は振り返らずに叫ぶ。
緑「いや…すみません!もう1つ伝えたください。ヴィランの狙い…少なくともその1つ。ちゃんとかっちゃんが狙われてる!テレパスお願いします!」
そう言いながら緑谷はまた森の中へと走っていってしまった。
そのままマンダレイはまたテレパスを使用し、全員に伝える。
マ「ヴィランの狙いの1つが判明。狙いは…それから生徒のかっちゃん!かっちゃんはなるべく戦闘を避けて!単独では動かないこと!わかった?かっちゃん!は気をつけなさいよ!!」
爆豪はその時、轟と共に別のヴィランと戦っていた。
爆「かっちゃかっちゃうるせんだよ!頭ん中でよ!は無事なんかオラ!!」
だが、相手のヴィランは全身から刃を生やす厄介なタイプ。
爆破も炎も下手に使えば森ごと燃え上がる。
2人は攻めあぐねていた。