第20章 奪われた手、攫われた光
ピ「さぁ腹も脹れた!皿も洗った!」
芦「肝を試す時間だ!」
切「試すぜ!!」
相「その前に、大変心苦しいが補習連中はこれから俺と授業だ」
芦「ウソだろぉおお!!」
相「すまんな。日中の訓練が思ったよりおそろかになったのでこっちを削る」
補習組は泣きながら相澤の捕縛布に捉えられ、連れていかれた。
相「。万全を期しているが、一応気をつけろよ」
その声音は、いつもより少しだけ柔らかかった。
月明かりの下で見た相澤の瞳は、誰が見ても優しい。
「ありがとうございます」
ピ「脅かす側先行はB組!2組は2人1組で3分置きに出発。ルートの真ん中で待機してるに名前を書いた御札を貰って、持って帰ること!」
くじ引きでパートナーを決める。
補習で5名欠けたため、緑谷が1人余ってしまった。
「出久、最後に私とまわる?」
爆「ンだと…???おいデクコラ、変われ」
轟とペアになった爆豪が、露骨に眉をひそめる。
の名が出た瞬間、反射的に反応していた。
緑(かっちゃん地獄耳…)
轟「いや、俺が代わる」
峰「オイラだろぉ…そうだよなぁ…!?」
ピ「はい、そこまでー!ちゃんは中間地点に行ってきてー!」
「わかりました、いってきます…」
小さく拳を握り、震える足で森の中へ。
夜気が肌に触れるたび、背筋がゾワッとした。
轟「大丈夫か?怖いの苦手だろ」
飯「俺もそれが心配だ」
爆「!!」
爆豪は思った。
そういえば、自分はのことを何も知らない。
好きな食べ物は?好きな色は?どんなものが好きで、何が怖いのか。
料理が上手いことも、怖がりなところも、今さら知った。
いつも自分の気持ちばかりで、押しつけて、守るとか言いながら、肝心なを見ていなかったんじゃないか。
月の光が爆豪の瞳に反射する。
その目は、少しだけ寂しそうだった。