第20章 奪われた手、攫われた光
次の日。
生徒を集める前、まだ朝靄の残る時間。
は眠い目をこすりながら集合場所へ向かうと、すでに相澤が立っていた。
腕を組み、無言のまま空を見上げている。
いつものようでいて、どこか張り詰めた気配。
「おはようございます、消太さん」
相「おはよう。……昨日、無事だったか」
「??もちろん、無事ですよ。洸太くんも元気です」
相「…そうか」
それだけ言うと、相澤は小さく息を吐いて髪をかきあげた。
少しだけ間を置いて、低く続ける。
相「…ああいう油断はもうするな」
「……っ」
相「別に風呂の件とは言ってねぇ。ただ…教師が、気を抜くな」
「…はい」
言葉は淡々としているのに、その横顔はどこかぎこちない。
頬の赤みを朝陽のせいにして、は小さく笑ってごまかした。
生徒たちもわらわらと集まってきた。
相「おはよう諸君。今合宿の目的は、全員の強化、およびそれによる仮免の取得。心して望むように」
そして相澤は入学の時に体力テストでやったボール投げをやってみろとボールを手渡す。
「投げてみて、どのくらい伸びてるかな?」
〈709.6m〉
あまり変わっていないことに驚く生徒たち。
相「さまざまな経験を経てたしかに君らは成長している。だがそれはあくまでも精神面や技術面あと多少の体力面。個性そのものはそこまで成長していない」
「だから今日から個性を伸ばす」
相澤はニヤリと不気味に微笑み
相「死ぬほどキツイがくれぐれも死なないように」
生徒たちの顔が曇る。
相「それから…、この訓練中に怪我をしたとしてもの治癒や疲労回復は禁止だからな」
追い打ちをかけるように相澤は言った。
生徒たちの顔がさらに曇った。
そこからB組も合流し、それぞれがそれぞれ考えられた特訓へ。
悲鳴と怒号が森中に響く。
も各所を回ってアドバイスに奔走するが、見ているだけでも胸が痛くなるほどハード。
こうしてあっという間に1日は過ぎた。
爆「絶対私情入ってんだろ…」
上「間違いねぇ!!昨日の件でキレてる顔してたもん!」
轟「…あれは、確実に怒ってる」
生徒たちはぐったりしながら、合宿所へ戻っていった。