第20章 奪われた手、攫われた光
合宿先へ到着し、マンダレイに挨拶をする。
「今日から1週間、よろしくお願いします!」
ピクシーボブの姿はまだ見えず、代わりに隣の小さな男の子に視線を向けた。
「えっと…よろしくね?お名前聞いてもいいかな?」
洸「……こうた」
マ「あら珍しい!この子なかなか人に懐かなくて…特にヒーローには。なのにには懐くのね、洸太もやっぱり男の子だ」
洸「うっせ!!!」
微笑ましいやり取りを見て心が和んだ。
生徒たちが来るのはまだまだだろうから、部屋に荷物を運ぶことにした。
荷物を持っての部屋へ向かう相澤。
重い荷物を片手で軽々と持ち上げながらも、視線はどこか柔らかい。
部屋に入ると、が申し訳なさそうに微笑む。
「ありがとうございます、消太さん。…少し、休んでいきます?」
相澤の肩がぴくりと揺れた。
相「……あぁ、少しだけ」
がそっと手を広げ、相澤の胸に飛び込む。
その瞬間、温かな光がふわりと広がった。
それは快気の力。
けれど、いつもの治癒とは少し違う。
の手から伝わる体温が、直接心をほどいていくようだった。
「…少し、軽くなりました?」
相「…あぁ、たしかにな」
言葉とは裏腹に、胸の奥がざわつく。
その無防備さが、理性を試すようで。
が離れようとした、その手を相澤が反射的に掴んだ。
驚くを、もう一度、静かに抱き寄せる。
「わっ…」
相「……悪い、もう少しだけ」
そう言われ、静かにまた相澤の背中に手を乗せた。
互いの心音が重なる。
それだけで、長い一日の疲れもすべて溶けていくようだった。
マ「おーーい!夜ご飯の準備するから終わったらこっちにきてー!」
マンダレイたちの声が遠くから聞こえて、空気がふっと緩んだ。
相「…行こうか」
「はい!」