第19章 変わらない日々、近付く影
夜遅く、校舎の灯りはすでにほとんど落ちていた。
残っていたのは、校長・相澤の2人だけ。
淡々と事件の詳細が伝えられると、しばしの沈黙。
校「…強い光ほど、闇も大きくなる。その言葉の意味を、今ほど痛感したことはないね」
オ「くんは、学生にも世間にも影響力が大きい。あの子を狙えば、雄英” という象徴も揺らぐ…そう考えているのかもしれません」
校「ヴィランにとって、彼女は光の象徴だ。ゆえに、最も壊したい標的でもある」
沈黙を破るように、相澤が静かに口を開く。
相「…守る。何があっても、だ」
一瞬だけ、その瞳に怒りと焦燥が混ざる。
相「…もう二度と、あいつを闇に触れさせない」
オールマイトが視線を落とし、僅かに微笑む。
オ「やはり君は優しいな、相澤君」
相澤は答えず、ただ椅子を押して立ち上がる。
その手には、机の上に置かれていた小さな箱。
中には、根津校長が以前試作していた発信機付きのネックレスがあった。
校「…それを使う時がきたね。明日彼女に渡しておきたまえ。万が一ということもある」
相「…はい」
相澤は無言でそれを握りしめ、夜の校舎をあとにした。
歩きながら、手の中の小箱を強く握りしめる。
相(…あいつが狙われるのはわかってたはずだ)
その胸の奥で、理性と焦りがぶつかり合う。
守りたいと願うほど、は誰よりも危うい場所に立つ。
光は、闇を惹きつける。
それを知っていながら、近づくことも離れることもできない。
廊下を抜けると、夜空にひとつ、淡い月が浮かんでいた。
相澤は立ち止まり、短く息を吐く。
相(もし、また何か起きたら…今度こそ俺が)
月明かりが、指の間の小さな箱を照らした。
その光は、誓いのように静かに相澤の手の中で瞬いた。