第18章 英雄の物語、嵐の前の静寂 ※微
ついにオールマイトがヴィランにやられたかと思ったその時
緑「スマーッシュ!!」
それから緑谷とオールマイトは共にヴィランに向かっていった。
「タワーごと潰れちまえ!!」
大きすぎる鉄の塊が頭上から落ちてくる。
「「ダブルデトロイト…スマッシュ!!」」
鉄の塊は粉々になり、
「「プルス…ウルトラ!!!」」
ヴィランをなぎ倒した。
静まり返るタワーの屋上。
2人のヒーロー、オールマイトと緑谷出久は肩を並べて立っていた。
遠くにいる2人の英雄を見ながら、生徒たちの元へ駆け寄る。
「みんな!本当に無事で…よかった!」
そう言ったの笑顔に、生徒たちは一瞬言葉を失った。
…というより、目を奪われていた。
赤いドレスは、戦闘の衝撃で裾がわずかに裂け、片側の脚線美があらわになっている。
肩口も少しずれて、白い素肌が月明かりに晒されていた。
乱れた髪、薄く汗ばんだ肌。
それでも背筋はまっすぐで、勝利の余韻を纏うように立つその姿は、静まり返った戦場に現れた神話の中の女神のようだった。
切「……やば」
切島がポツリと漏らす。
上「ちょ、ちょっと待ってくださいよ先生、それ反則っすって……」
上鳴は赤面しながら後ずさる。
峰「先生ぇぇええ!なんっっっでそんなセクシーな姿で現れるんですか!?もう無理!!」
突進しかけた峰田を、即座に飯田が制止する。
飯「落ち着け峰田くん!!状況をわきまえたまえぇぇ!!」
峰「わきまえられるわけあるかぁああああああ!」
ワチャワチャと騒がしくなる中、ふと轟が呟く。
轟「すげぇ、綺麗だ」
「っ…!ありがとう」
そう言って笑うと、轟はほんの少しだけ頬を赤らめ目を伏せた。
その隣で爆豪はやけに不機嫌だった。
爆「…ンだよその格好。誰に見せてんだよ」
このドレスを選ぶ時に思い浮かんだ、鋭い視線に捕らわれる。
それを思い出すとは少し恥ずかしくなった。
爆「クソ、ヴィランよりタチ悪ィ…」
目を合わせようとしない爆豪。
照れてるのか、怒ってるのか、本人にもわからない。
もまた、少し照れたように笑った。
「…みんな、ありがと。無事で本当によかった」
その笑顔に、また、誰もが言葉を失った。
風が吹き抜け、夜明け前の空に雲が流れていく。