第18章 英雄の物語、嵐の前の静寂 ※微
追いかけて見るとそこには知った顔が2人。
何か話している。
「俊典さんに出久!!どうして?」
メ「パパにサプライズで、私が招待したの!ところで、3人は知り合いなの?」
「うん、俊典さんとは雄英で教師してて、出久は私のクラスの生徒だよ!」
メ「そうだったんだ!じゃあマイトおじ様はパパのところに案内するね!」
3人でデヴィッドさんの研究室へ向かう。
オールマイトとデヴィッドさんの感動の再会の後、天才発明家である研究者に会えたことにより緑谷のオタクぶりは加速していた。
デ「このままオールマイトと積もる話をさせてくれないか?」
ということで、3人でIエキスポをまわることになった。
メリッサが手慣れた様子で2人を案内してくれる。
研究者の娘らしく、説明も分かりやすく、聞いていて飽きない。
緑谷は興奮しっぱなしだった。
「落ち着いて出久」
緑「…す、すみません!」
は思わず吹き出した。
(こうしてると、まだ普通の高校生に見えるなあ…)
でもその内側には、命を懸けて誰かを守ろうとする芯があることを、は知っている。
さりげなく髪を撫でてやると、緑谷の耳まで真っ赤になっていた。
そんな微笑ましいやりとりを見ながら、メリッサはくすっと笑う。
メ「ふふ、仲良いんだね。先生と生徒って、もっと堅い関係かと思ってたけど」
緑「そ、その…ちゃんはなんていうか…特別で!」
メ「そっか。……じゃあ、次は私のお気に入りブースに案内するね!」
楽しげに先を歩くメリッサの背中を見送りながら、はふと、心の奥が温かくなるのを感じた。
この穏やかなひとときが、嵐の前の静けさであることに、このときはまだ気づいていなかった。