第17章 表情に宿る想い、全国規模の騒ぎ
________翌朝
朝の雄英正門前は、いつもの静けさとはまるで違っていた。
カメラのレンズ、マイク、記者たちのざわめき…まるで芸能事務所の前みたいな騒ぎ。
「……え、なにこれ……」
瞬きをする間もなく、数十人の記者が一斉に押し寄せた。
「ヒーロー科の先生ですね!?」
「昨日の写真、拝見しました!まさに奇跡の一枚と話題ですが、モデルデビューの予定は!?」
「こちらに向かって1枚!!」
マイクが顔のすぐ近くに突き出される。
カメラのフラッシュが眩しくて、息が詰まりそうになる。
「あ、あのっ…」
その瞬間だった。
誰かの手が腕を掴み、ぐっと後ろに引かれる。
目の前に黒い髪、見慣れた捕縛布。
相「下がれ」
低い声、その一言に周囲の空気が一気に静まる。
捕縛布が記者たちとの間に広がり、を包み込むように遮る。
相澤の腕が、ほんのわずかにを庇うように引き寄せたまま離れない。
体温がすぐそばにある。
その距離の近さに、心臓が跳ねた。
相「取材は許可していない。ここは学校だ。道を開けろ」
その眼差しに射抜かれ、記者たちは一歩、二歩と後ずさる。
は呆然としたまま、相澤に手を引かれて校舎の中へ。
職員室の前でようやく腕が離された。
振り返ると、相澤が小さく息を吐く。
相「…朝から騒がしいな。大丈夫か」
「あ、ありがとうございます……また、助けてもらって。ほんとに助かりました」
相「…覚悟しておけ。今日は一日落ち着かねぇぞ」
声は静かだったけれど、どこか苦笑のような響きを含んでいた。
その横顔が、少しだけ優しく見えた。
職員室へ入ると、昨日に続きざわめきが広がった。
「おはようございます」
マ「気をつけろよ、今日は昨日より大変だぜ?」
ス「下校まで落ち着かねぇだろうなぁ」
周囲の視線と軽口を受けながら、は深呼吸ひとつ。
相「行くぞ」
は相澤と共に教室へ向かった。