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魔王之死刀

第18章 …隻眼ノ呪詛


 不毛の地である筈の採掘場が、鬱蒼とした不気味な森へと変貌していたのだ。
 その中心に、干からびたミイラの様に地面に転がる百獣海賊団の残党達の姿があった。
 戦いの傷が癒えていない彼等は予期せぬ強敵の前に、なす術もなく倒れて行ったのだ。
 ゾロが更に、その森を注視していると……突然、男の悲鳴が聞こえて来た。
 百獣海賊団の大看板、クイーンの悲鳴だった。
 六メートルを超えるあの巨体が、一瞬で干からびて行ったのだ。
 彼等の水分や養分を、触手に似た蔓や木の枝に変化させた指先で吸い尽くし嘲笑うこの男こそ……海軍本部大将『緑牛』こと『アラマキ』である。

​「ラハハハハ! 世話ねえなぁ! おれ達海軍は、お前等みてえな敗残兵に構ってる暇はねえんだよ!! おれの狙いはただ一つ……『麦わらのルフィの首』だあっ!!!」

​ アラマキが目の前で片膝を突き、息の上がっているもう一人の大看板・キングを蔓で突き刺そうとした、その時。
 上空から音もなく舞い降りたゾロが、その一撃を妖刀・閻魔で斬り落とした。
 突如現れた『海賊狩り』の姿に、アラマキはニヤリと笑う。

​「おぉ? 麦わらの一味のNo.2じゃねえか! 丁度いい、お前も纏めておれの森の養分にしてやるよ!!」

​「……随分と威勢のいいオッサンだな……」

​「オッサンじゃねえ! おれは海軍大将アラマキだ!! ちゃんと覚えとけよ小僧!!!」

​「……うるせえ大将だなあ、大声しか出せねえのかよ……」

​ ゾロは左の耳穴を小指で掻きつつ、言葉を吐き捨てた。
 が、その目は決して笑ってはいない。
 底知れぬ怒りが闇となり、隻眼の奥でギラ付いていた。
 何処からともなく現れた三刀流の剣豪に、キングは思わず目を丸くする。

​「……ロロノア・ゾロ……!? 何故お前がここに……!」

​ すぐ後ろに、キングが居る。
 相手は荒れ地に森を茂らせ、生きる者の体液を吸い取る自然系……ロギア『モリモリの実』の能力者。
 ゾロはこれまでも、ロギア系の能力者を斬り伏せて来た。
 勝つ自信は勿論ある。
 だが、ここで戦えば背後の負傷者達が巻き添えになるのは確実だ。
 それに何より……敵として死闘を演じた男……キングが、世界政府の犬に無様に殺される事に、腹が立っていた。
 迷っている暇はない。
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