第18章 …隻眼ノ呪詛
彼女の嬉しさと恥ずかしさで満ちた、可愛らしい思念の声がゾロの心に届く。
剣豪は苦笑しながら、目の前にある紺色の浴衣に視線を落とした。
向かいの席でその様子を見聞きしていたジンベエが、豪快に笑う。
「ワノ国の姫君からの粋な計らいじゃのう……ワシも嬉しいわい」
そして、ハーデスに向かって温かい視線を送った。
「国を背負うお方の気配りも素晴らしいが、それを素直に受け取るお前さんの誠実さも気持ち良いものじゃよ。折角の好意じゃ、体を壊さん程度に、少し息抜きをして来るとええ」
「ジンベエさん……ありがとうございます」
ハーデスが嬉しそうに頬を緩めると、ゾロはぐい呑みの酒を一気に飲み干し、立ち上がった。
「……だな。せっかく用意してくれたんだ、ありがたく着させて貰うとしよう。ハーデス、体調がいいならお前も支度をしろ……二人で、花の都の祭りに行ってみるか」
「え……は、はいっ……! 喜んで!!」
ハーデスは胸を高鳴らせながら風呂敷を抱えると、着替える為に隣の部屋へ駆け込んで行った。
ゾロは苦笑しつつ、宴会場の隅で着替えを始める。
そして……着替え終えたゾロはハーデスを連れて、宴会場を後にした。
残されたジンベエは満面の笑みを浮かべ、ゾロの背中に盃を掲げるのだった。