第18章 …隻眼ノ呪詛
ルフィが感心しつつそう言うと、ハーデスは頷き、淀みのない言葉で答える。
「あっ、はい……ここに来る前に、バルトロメオさんと言う海賊の方に海の上で偶然お会いして……ワノ国に居る事を教えてくれたんです」
ゾロは意外な人物の名を聞いて、思わず目を丸くする。
「バルトロメオ? お前、あいつに会ってたのか」
「はい。この広い海を小舟で航海していたのが珍しかったそうで……ゾロに会いに行くと言ったら、少し大きな船を譲ってくれたんです。ここに来る時に渦潮に巻き込まれて壊れてしまいましたが……」
「そうだったのね。女の子一人でこの鎖国中の国にゾロに会いに来るなんて……やっぱり、只のお知り合いじゃなさそうね」
「えっ……? いえ、あの……その……」
にっこりと微笑むロビンに、ハーデスは思わず顔を赤く染めて、もじもじしてしまう。
と、チョッパーがすかさずこう付け加えた。
「さっきハーデスから教えて貰ったんだけどな、二年前、ハーデスはゾロに危ないところを助けて貰ったらしいぞ。ゾロがまだ、ルフィに会う前の話だって。なあ、ハーデス」
「……えっ? あっ、は、はい……そうなんです……」
そう一言答えて、彼女は顔を赤らめつつ、恥ずかしそうに視線を落とした。
(…… 私、余計な事言っちゃったかな……ゾロ様、怒ってるかな……)
心の中で独り呟く彼女を目にしつつ、ゾロは右手で頭を掻くしかなかった。
(……おいおい。適当に話合わせとけとは言ったが……馬鹿正直に、細けえ設定迄作りやがって……)
彼女の真面目さに呆れつつも、不思議と悪い気はしなかった。
しかし、そんなゾロを見たナミとロビンは、ニヤニヤしながら呟く。
「……やっぱりね」
「単なるお知り合いじゃ、なかったわね」
その言葉に他の仲間もからかう様な笑顔を見せたので、ゾロとハーデスは揃って顔を赤らめるのだった。
こうしてハーデスは、晴れて麦わらの一味の一員となったのである。
さて、それから数十分後。
ワノ国を挙げての『大宴会』が、遂に幕を開けた。
ルフィを始め他のメンバーは、城下町……花の都で行われる祭りへと繰り出して行った。
城の大宴会場に残ったのはゾロ、ジンベエ、ハーデスの三名のみ。
高欄の向こうの薄暗い西の空に、沈み掛けた太陽が見える。
