第18章 …隻眼ノ呪詛
助けた時は全く気付かなかった。
十九才とは思えぬその美しい姿に、ゾロは一瞬見惚れ、思わず息を飲む。
(どっ、どうしよう……ゾロ様が私をじっと見てる……! もしかして、この服、変だったかな……?)
おどおどするハーデスの心の声に、ゾロははっと、我に返った。
(……おれとした事が……何を見てやがる……)
自分の気の緩みを振り払う様に首を軽く横に振ると、彼女に向かって一つ頷いた。
ハーデスもまた、安心したかの様に頬を緩めて頷き、皆に向かって頭を下げる。
「あの……皆さん初めまして……私はハーデスと申します。この度は、助けて頂いて本当にありがとうございました……それから……」
ハーデスは一息吐いてから、背筋を伸ばし言葉を続けた。
「それから……皆さんの仲間に加えて頂き、本当にありがとうございます。大した事は出来ませんが、コンゴトモ、ヨロシク……お願い致します」
そう言って、また丁寧に一礼をした。
その礼儀正しさに、一味は思わず目を丸くする。礼儀と言うものを殆ど知らないゾロの知り合いとは、到底思えなかったからだ。
そんな彼女に、サンジが物凄い勢いで近付いた。
「うおおおおおっ!!! なんて可憐でおしとやかなレディーなんだあっ!!! アホマリモには本当にマジで勿体ねえっ!!!」
その異常な勢いに、ハーデスは思わずドン引きして仰け反った。
彼女を守る様に、ゾロはサンジの右肩をガシッと掴むと、後ろへ力一杯押し退ける。
「グル眉……さっきも言っただろ。こいつはお前みてえな女っ誑しは嫌いなんだよ。残念だったな……」
ゾロはニヤリと笑い、仲間達に向き直る。
「……こいつはちょっと引っ込み思案なところがあるからよ。慣れる迄は、お手柔らかに頼むぜ」
ゾロの言葉に、皆笑みを浮かべて頷いた。
そこへ船長であるルフィが満面の笑みを浮かべて、ハーデスに声を掛ける。
「お前、ハーデスって言うのか。元気になって本当良かったな!」
「皆さんが助けてくれたお陰です……本当にありがとうございます」
「しっしっしっ!!! 気にすんなって!!! でも、お前一人で良くここ迄来れたなあ。下手したら死んでたかも知れねえんだぞ。しっかし、ゾロがここに居るって、良く判ったな」