第18章 …隻眼ノ呪詛
「行かねえよ、あいつを独りにさせられねえ。もう少ししたらこっちに連れて来るから、ここで待ってろ」
そう言って、ハーデスの待つ部屋に戻った。
ゾロは、布団の上で薬草茶を飲んでいる彼女の姿を目にしつつ、バッグをその横に置いてやった。
「ほら、こいつだろ? 中身確認しとけよ」
「……ありがとう」
ハーデスはバッグを受け取り、持ち物が全て揃っている事を確認する。
「……全部あります。あの、本当にありがとう……」
「礼はもういいって。それより、もう少ししてからでいいからよ、一回起きて、あいつ等に顔見せてやってくれねえか?」
「……え? あっ、はい……じゃあ、ちょっと着替えようかな……」
「おれは隣の部屋に行ってるから、着替えたらチョッパーに連れて来て貰え。チョッパー、頼んだぜ」
「任せといてくれ。ハーデス、着替えるなら、もう一回体拭いてやるぞ」
「ありがとう、チョッパー……って、呼び捨てでいいのかな……」
「おう、勿論いいぞ!」
チョッパーの明るい返答に、ハーデスは笑顔を見せた。
そのやり取りを見たゾロは、口端を上げつつ隣の部屋に移動する。
……と、部屋の隅で膝を抱え、どんよりと座るルフィの姿が視界に入った。
船長は半泣きになりながら、何やらブツブツと呟いている。
「……ゾロと一緒に、お祭りで騒ぎたかったのにい……うううっ……」
「……アホかお前は。おれが居なくたって、ウソップやチョッパーが居るじゃねえか。ったく、ガキじゃあるめえし」
呆れ半分で吐き捨てたゾロの言葉にカチンと来たルフィは勢い良く立ち上がり、文句を言い始めた。
「何言ってんだ、ゾロ!! おれは、お前とお祭りで金魚掬いやったりチョコバナナ食べたり射的やったり……えーとえーと後は……いやもうとにかくっ、お前とお祭りで騒ぎたかったんだっ!!! せっかくお前が戻って来たのに、一緒に騒げないなんて……ううううっ……」
早口で捲し立てる船長にゾロは半ばドン引きしつつ、落ち着いた口調で諭す様に言う。
「……お前の気持ちはありがてえんだけどよ、あいつを独りにしておけねえんだよ。あいつはおれ達の大事な仲間なんだぜ……騒ぐのは何時でも出来るだろ。これからまた、長い旅が始まるんだからよ」