すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第17章 崩れる思い
休憩時間にも凜桜は資料を見る事はなかった。いつ、どのタイミングで諒が来るか解らなかったためだ。
「…なぁににやついてんの?」
「え?何が?」
「いやいや、顔」
「にやついて…ッ…って!」
するっとスマホを取られれば凜桜は焦りを隠せなかった。
「…ふぅん…」
「待って…!別に好きとかそういうんじゃなくて…」
「好きなら好きでもいいと思うけど?」
「いや、その…恋愛というか…そういうんじゃなくて…」
「そこまでは聞いてないけど?」
「…ッッーーーー!!!」
『はめられた…』と言わんばかりの凜桜だったものの、にやにやとみていた諒。
「…私の好きな人…知ってるくせに」
「さぁ?」
「嘘ばっか…」
「なんだぁ?」
ドアから入って来る住吉の姿に慌てて凜桜は諒の手からスマホを取り上げようとするものの、敵わないままに住吉に見せられる。
「今の凜桜ちゃんの推しだそうで」
「推しって…!」
「んぁ?……あぁ。なるほど?」
映し出されている画面を見て住吉は少しだけ目を細めた。そのままデスクに向えばどさっと鞄をおろした。
「…ま、そっちに移りたいって言ったところで出さねぇけどな?」
「いやいや、ずっと代表の傍に居たいですけど…」
「おんやぁ?」
にやにやが止まらない諒を見る事も無いままに住吉の口元も緩んでいた。
「嬉しそうっすね、代表」
「いや、俺の秘書だから?」
「秘書って扱いじゃなくなってません?」
「そうでも無い。」
そう話しながらも書類を取り出すタイミングで凜桜は席を立ち、住吉の横に立つ。それを合図に抜粋して書類を手渡していく住吉の行動に『へぇ…』と諒もにこやかに見ていたのだった。