すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第23章 ふとした再会
住吉はそんな凜桜の言葉を聞けばゆっくりと手を取る。指を露骨に絡める訳でもない。けれど、確実に離しはしない…
「……解ってる」
低い声でつづける。
「本当に?」
「あぁ。でも…俺の前ではあぁ言う顔、あまり見せないだろ。」
「そうかな…」
フッと考える素振りを見せたままに凜桜は思い返してみる。しかし時期に住吉の腕にするりと寄っていく。
「住吉さんの前だと、」
ぽつりと呟く様に凜桜は続けた。
「住吉さんの前だと、安心し過ぎて…顔、作らなくていいから」
そうしたから見上げる様にして凜桜は住吉に伝えた。
少しのーーーーー間…
その答えに住吉はきゅっと指を絡める。口元はわずかに緩んだ。
「…ーーそういう、所だ」
不満智満足ともつかない声。それでもわずかに手を引く力はさっきよりも強くなる。
「行くぞ…」
そう呟く声。ふっと降りてくるその視線…
「今日は俺との時間だろ…」
「…ん」
「その間、それとも、俺より瀬乃のがよかったか?」
「そんな事言ってない」
「…クス…だろうな」
凜桜はその言葉に小さく頷きながら胸の中でとくん…と温かくなる思いを感じていた。
偶然だって…過去だって…ーーー
もう、何も関係ない…
今こうして隣を歩いてくれるのは…
こうして迎えに来てくれる人なのだと…
この二人の関係に名前が付かなくても…
二人の関係が曖昧だったとしても…
確実に近くなっているのを感じていた。