すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第23章 ふとした再会
それから少し日にちを過ごした完全のオフの日の事。私的の約束だった。住吉と一緒に並んで買い物に向かう凜桜。並んで歩いていたものの、ふとトイレに行って来ると住吉が離れていく。
「少し離れてない?」
「大丈夫だ。ここで待ってて」
「ん、解った。気を付けてね?」
「クス…何にだよ」
そう言いながらも住吉の背中を少しだけ見送った凜桜。ブブっと震えるスマホを取り出すものの、急ぎでもない、仕事でもない。……広告のメッセージだった。
確認を終えれば鞄にしまい、行き交う人の流れをぼんやりと見つめていた。
その時だ…ーーー
「…っれ、凜桜…さん?」
聞き覚えのある声に凜桜もふっと顔を上げる。
「あ、…瀬乃さん…」
本当に偶然だった。仕事でも、約束をしていたわけでもなく…互いに連絡を取っていたわけでもなかった。ただたまたま同じ時間に同じ場所にいたというだけ…
「久しぶり、ですね。今日は…?」
「買い物に。瀬乃さんは?」
「俺は待ち合わせ。と言ってもまだ少し時間はあるんだけど」
そう言って瀬乃は軽く笑った。距離は決して近すぎる事はなかった。けれど他人行儀でもない。会話はなんでもない他愛ないものだった。最近の仕事は?いい天気が続いてるよね…等。ほんの数分だった。
その光景を少し離れた所で住吉は目にとめた。
凜桜の姿。言った通りの所で待っている姿。しかしその直後に隣に立つ…見覚えのある男…
足を止めるほどんお事ではない。それでもほんの少しだけ胸の奥がほんのわずかにざわついた。
…ーーー楽しそうだな…