すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第22章 不器用な甘え
数日後…
仕事終わりだった。ピンスタの撮影も終えて時間も遅くなったからという理由で住吉が食事にでも行くか…と誘いをかけた。諒と千紘、そして凜桜の四人。琥太郎はといえば先に予定入れちゃったじゃないですか!と少し膨れ気味だった。
よくある光景、住吉自身も『代表』の顔を捨てつつもあくまで同席者の立ち位置を振舞っている。
半個室にもなっているような、靴を脱いでの席。奥には住吉と向かいに凜桜。その凜桜の隣に諒が座り、住吉の隣に千紘が座る。
敵は一切いない…この四人の空気感に、そして目の前に住吉がいると言う事もあって少し気を抜いていた。時間もどれほどか経ち、グラスを重ねるうちに頬にはうっすらと熱が残る程度のほろ酔い。
笑い声が増え、肩の力も抜けていく。
「凜桜ちゃん、酔ってない?」
隣の席というのもあって諒は凜桜に声をかける。
「んー、大丈夫だよぉ…」
その声の後にふふっと笑う凜桜。しかし体は正直だった。座りなおそうとしたその時。少しだけふらついたのと距離感を間違えたのだろう。
「…ッッ」
ことん、…と。軽い重みが諒の肩に頭を預ける様にして寄りかかった。ほんの一瞬の出来事。
「あ、…ーー」
諒は少しだけ戸惑いを隠せないままに体は無意識に固くなる。凜桜は気づいていないのか…それとも気づいていても甘えているのか…そのまま少し…ーーー動かなかった。
その光景を住吉は黙ってみていた。表情も一切変えない。声の一つも挟まない。それでも、テーブルの下で組まれた指先にはわずかに力が入った…