すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第21章 好きを形に…
自制を絞り出すような声…住吉にしては珍しいものだった。
「…ッ」
掠れた声、それに加えて胸元に珍しく顔を埋めるそぶりを見せる住吉に凜桜は少し、戸惑いを隠しきれずにいた。
「…これ以上は…」
小さく、けれど確かに凜桜には聞こえる声で住吉は続けて話す。
「…俺が、戻れなくなる…」
理性の線だった。代表としての物でもなく…社内恋愛禁止という規則の元でもなく…
ただ住吉自身が自分自身を保つためだけの、最後の境界線だった。
本当ならすぐにでも抱きたい…昨夜の瀬乃の痕を…感覚を…すべてに自分が上書きしたい…そう思ってもいる中での矛盾した言葉だった。
戻れなくと言いながらも、凜桜の背中を離そうとしないその矛盾に、凜桜も、そして住吉自身もはっきりと気づいていた。その矛盾した中で凜桜がゆっくりと言葉を選びながら紡いでいく。
「それでも…」
そう耳に声が届いた瞬間。住吉の体が一瞬ピクリと反応した。確かに声は小さい…でも…迷いがなかった。
「好きだから…独占されてもいいって…そう決めたから…」
ごくりと住吉の喉が鳴る。解ってか、それともただ自身の想いを口にしているだけか…凜桜は止める事を出来ずにいた。
「…触れないまま…我慢する方がつらい…」
「…凜桜…ッ」
ぷつりと最後にしっかりと残していたはずの糸が…ーー切れた音がした。気付けば荒っぽくも肩を押し、ベッドに沈んでいく…頬がうっすらと染まる凜桜と…それを見下ろす住吉の目…住吉は短く息を吸い、低く…それでいて抑制が効かない声…
「そういうこと言われたら…止まれるわけないだろ…」
深く、離す気などさらさらない様に…
彼女以外は抱かないなんて言ったくせに…
理性の為のキスでもなく…確認でも、なんでもない…
切れた糸の…その先を手繰る様に……ーーーーー