すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第21章 好きを形に…
「俺が選ばせて、凜桜が選んだとしても…それでももう今は…」
手首からそっと腰に手を回す。
「…ここから先は俺の領域だ。」
独占欲を隠すつもりもない。ただ、それと同じだけ宣言にも似た口調だった。
「今までと何ら変わらなくてもいい。ただ、俺以外の所に戻る場所を作るな…」
命令の様に聞こえる声も、それじゃない。
ただ…明確なのは住吉が決めた『帰属の指定』だった。
「過去を問うつもりもない。これから先も自由でいい。それでも、…ーー最終的に戻るのは俺の腕だ。ここ以外はありえない。」
恋人に伝える声色で…だけどその名前は二人には付かない…
付き合ってる距離感で伝える指定も…その距離よりもあいまいな関係のままで…
それでも互いを想い合って…選んだ距離だった。他に誰かが知る必要もない。オフィスに入れば必要以上の絡みはないのも解っている。目に見えて解る『形』もない。
それでもいいと選んだ結果だった。何よりも重く、何よりも二人の間には明確に表れた独特にも思える形だった。
それにこたえるかの様に凜桜は住吉の首に手を回す。
ゆっくりと腰をかがめる様に短いキスを重ねる。一旦は離れたもののもう一度…今度は少しだけ長く…角度を変えて触れてくる。
「…凜桜…」
住吉の喉が僅かになる…名前を呼ぶ声が、すでに危うさすら滲み出していた。離れようとする凜桜の唇を、『まだだ…』と言わんばかりに無意識のうちに顎を掴む。
抱き寄せる腕に力がこもり、ベッドの淵に膝を付く形に凜桜は乗り上げた。
「…今は…ここまでにしよう…」
僅かに離れた唇から住吉の声が漏れた。自分自身の理性を保つようにも聞こえる声量だった…