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すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~

第21章 好きを形に…


二人の間にわずかに沈黙が落ちる。それを破ったのは凜桜の方だった。

「…私は…」
「ん?」
「他の人が欲しい距離をもうすでにもらってるんです。それだけも十分すぎるのに…」
「凜桜…?」

背中越しに肩口にとんと体重を預ける凜桜。その重さを拒否するでもなく、追い払うのでもないままに住吉はその場にただいる事を決めていた。

「…しっかりと振られたら返すはずだったこの家の鍵も…こうして触れていられる距離も…手放さなくてもいいなら…他には何もいらないから…」
「…ッ」
「傍にいても…いいですか…?」

絞り出すようなその声は思った以上にかすれていた。緊張は含んでいる…それでも、すがるわけでもない…追い続けるでもない…好きも、離れる事も…すべてを委ねたような声だった。

僅かに腰に近い位置を軽く握りしめている凜桜の手をゆっくりと取れば包み込む様にして握りしめた住吉。その指がゆっくりと絡んだ時だった。

「…どちらかといえば…俺は独占欲が強いほうだと思う。」
「…ッ」
「昨夜の触れられた事実があるなら…それは許容できたとしても二度目はない…想像できない…」
「住吉さん…?」
「放っておいた…その事実が、俺が突き放した結果ゆえだとしても…許せない。男として最低だと思われても、俺を本気で選ぶというならもう曖昧な距離にはおかない。」

背中に凭れた凜桜が僅かに震えた。

「…重たいと思うなら今言ってくれ。価値観の違いを後で知らされるほどきついものはない。」
「…住吉さん…」

僅かな…小さすぎる沈黙…

「…その重さ…ほしいです…」
「……ッッ」

小さくとも、はっきりと言い切る凜桜の声に、住吉はふっと息を吐く。

「…引かねぇな、本当に」
「…引きたくない…」
「たく…」

僅かに体を前に倒し、凜桜の体の重みを一瞬手放す住吉。しかしすぐに体の向きを変えて胸に抱きいれた。
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